『人間道楽』 7-11. 171027

7-11.人間関係

生きていると必ず出来てくるのは
人間関係です。

自分の土地に
垣根や、囲いを作ってしまった心は、
常時その囲いの位置を確認して回る必要が
有ります。

前に巡回した時より、狭くなっていないか
自分の縄張りの中に、
何者かが忍び込んだ形跡はないか。

肉食動物が、常時縄張りの
見えない囲いを意識して
マーキングしてまわる様に

人も心の中で
ポーリング(一つ一つの端末に
聞いて回る方式 コンピューター用語)
を行うのです。

そうやって自分の土地を護っていくのです。
そして少しでもその土地を拡げようと
自分のエネルギーを使いきり、
疲れ果ててしまいます。

これが、物質に捉われた
自我の働きです。
この囲いや垣根は、自身を護るための
プライドと考えると分かり易いかもしれません。

自らの手で、耕された事の無い土壌には
草花は育ちませんので、
土地の中には、他人の眼を氣にした
モノ達で溢れかえっています。

どれ一つ、心という土壌に
根ざしたものはありません。

基礎が出来ていない建物と
同じです。
少しの強風で簡単に倒壊してしまいます。

目に見える物質というモノに、
心が支配されると
この様な営みを繰り返し行うことに
なります。

自己受容と、自己満足を同列に
扱ってしまうと足りないという心に捉われます。
そうすると、欠乏感に常に苛まれることになります。

『人間関係』とは、まさに人と人との
関わりから始まるものです。

まやかしや、幻想で出来た囲いを捨て去り
その事に奪われていた、エネルギーを
自分の土壌に関心を示すことに使ってみてください。

眼に見える土地の上の事に捉われずに、
土壌そのものに意識を向ける様に
切り替えるだけなのです。

物質世界から、エネルギー世界への
視点の切り替えです。

一度も、手を入れた事の無い土壌は
硬くて冷たく見えるかも知れません。

土の中から、思い出したくない過去の
感情が湧き上がって来るかもしれません。

でも、眼を反らさないで。

そこには、本来のあなたが隠れています。

まず、手を触れて自分の心という
土壌と語り合ってみてください。
自分の土壌と向き合ってみてください。

土の状態を肌で感じてみてください。
まず自分自身との『人間関係』を
取り戻すことから
全ては始まります。