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『人間道楽』919

事故にあったミニバイクを見ると、
前のカウルが壊れて剥がれ落ちている。

救急車を呼んで下さった方に、
警察にも連絡したかを確認をすると、
救急車だけとの返事。

女性に、
バイクの修理に保険を使うのなら
警察にも来て貰った方が良いですが、
どうしますか?」そう聞くと
「呼んでください」
との言葉が返ってきた。

その場で警察へ電話をする。
交差点の名前は分かるが、
住所は分からない。

警察は、交差点の名前だけでは
無くて
住所を知りたがる。

出動での行き違いを避けるためだろう。
こんな時に、自動販売機が有れば
住所が書いてあるんだけど。

目の前の建物は、工事中でまだビルの
名前が書かれていない。。

電話の警察官との遣り取りで
目標物など説明する。

なんとか、周囲の建物で特定できたのか、
場所は伝わったようだ。

間もなく救急車が来たので、
女性に乗って貰う。
さっきよりも足取りは
しっかりしてきたが、
まだ手を離せば倒れてしまいそうだ。

救急隊員に、今までの事情を説明して
警察も来ることを伝え、
僕はその場を後にした。

幸い大事に至らなかった事故を、
リアルに体験したお話しですが、
この時の事を例にとって僕自身の
脳の思考回路を、探ってみたいと思います。

大きな音に、
身体が強張り音のするほうを
振り返った時。

瞬間的な脳の働きで、
自己防衛が自分に影響のある
出来事か判断して。
次の行動に移ろうと身構えた状態です。

これは、反射。

反射神経が働きます。
爬虫類などでも持っている
防衛本能で動物としては
自然な反応といえます。
自分にのみ意識が向いている状態です。
僕は、これを爬虫類の脳と呼んでいます。

次に、現状を見る事により状況を把握
して視覚からの情報で、
バイクと黄色い塊が転がっているのが
分かった。

過去の情報と結び付けて、
単車の単独事故だと判断してます。

この時に脳は、
自分に関係の無い事故であることで
事故を頭の中から切り離し、
無かったことにしようとします。

その言い訳が、
「自分が用事で急いでいる事。」
「降りしきる雨で、
それ以上濡れたくない思い。」
「周りに多くの人が居るので
自分が動く必要がない。」

などが頭の中に浮かんできて
正直に白状すると
その場を立ち去ろうとしていました。

この動きは哺乳類の脳の働きです。

危険が他人事だと分かったところで
安心して
自分の用事に優先順位を与えています。

そんな時に、黄色い塊が動いたのです。
その時まで、雨に打たれて転がっている
塊りを頭の中で物としか
認識していませんでした。

人だ、助けなければ。。。
そう思うと同時に身体は動いていました。

この時に、ようやく人の脳が働き出しています。

それまで時間にすれば、
数秒の出来事ですが脳は、
自然の順序に従って働いています。

進化してきた順序は、
身の安全を護ることに
最重要との認識を与えています。

だから、
その優先順位に忠実に従って
判断を行っているのです。