『人間道楽』 7-14. 171129

7-14.ちょっとブレイクタイム

ちょっと趣向を変えて、ある体験を基にした
お話を書いてみます。

豪雨や嵐の中で、
飛行機に乗られた事が有るでしょうか?

昼過ぎから雨は、嵐の様相を呈してきました。
空港では、飛行機がどんどん欠航に
なっていく。
自分の搭乗する飛行機も
欠航になるかもしれない。

空港のロビーは不安な人達で
ごった返しています。

航空会社の案内係の方々は、冷静な対応で
事務的に事実だけを伝え
お客さんに落ち着いてもらおうとしています。

これは僕が、実際に経験した事の お話しです。

空港は、お盆やお正月の時より混雑していました。
僕が手にしているのは、
羽田空港(東京)18時発、伊丹空港(大阪)行き
ANA 37便の搭乗券。

この日は朝から天候が悪く、
羽田空港は離発着が困難な状態となっていました。

都心部の宿を探しても、全て満室で泊まることも
出来ません。

新幹線も満席です。
この段階で飛行機に乗る以外に手立ては
見つかりません。

チケットカウンターには、
長蛇の列が出来ていて
不安な顔をした人や、
イライラを隠せない人達で
ごった返していました。

他の方々と僕の唯一の違いは、
旅行会社で取ってもらった
格安のチケットだったので
航空券では無く、乗る便や座席まで指定された
搭乗券を既に持っていた事ぐらいです。

航空券なら、払い戻しは容易に出来るでしょう。
でも、格安の搭乗券の場合はどうなるの?

いろいろ、考えても拉致が開きませんし、
自然に闘いを挑んでも、
結果は明らかです。
案内係の方に詰め寄ったところで
何も変わらないでしょう。。。

第一あんなに並んでまで
詰め寄るつもりもありません。

混雑している出発ロビーを後にして
空港でのんびりと、
お蕎麦をいただくことにしました。(笑)

焦ったり、イライラを人にぶつけることで、
何とかなるのだったら、そうしていたかも知れません。

でも、折角家族で来たディズニーバカンス♬
最後まで、楽しい氣分で居たいじゃないですか。

こんなに人が居るのに、ビックリするほど空いてるお蕎麦屋さん。
みんな、どうなるか不安やイライラで食事どころでは
無いんだな。

花のお江戸の、盛り蕎麦に舌鼓をうって
呑氣にお店を出たところへ、
たまたま通りかかったANAの制服を着た
案内係の方。

搭乗券を見せて自分の乗る便が、
欠航になったかどうか訊ねてみると、
ANA37便は、あえなく欠航。

でも、搭乗券だったので直ぐに
他の便へ振り替えできるか調べてくれました。

案内係さん曰く 37便より1時間遅い、
関西空港行に振り替えられるとの事。
なんてラッキー。

でも、伊丹空港に車が置いてあります。
大阪以外の方は、あまり意識されていないと思うのですが
関西国際空港と、大阪国際空港伊丹空港)の距離は、
60Km以上も有るんです。

この距離は、飛行機だと数分ですが陸路では、
一時間以上掛かってしまいます。

空港に置いてある車の事を伝えると、
もう一度、調べ直していただけました。
何と、37便より20分早い出発予定の伊丹空港行に
振り替えることが可能だという事。

さすがANAさん対応が丁寧で早い。
お礼を言って、帰阪チケットを受け取りました。

ただ、帰りのチケットを手にしても、
欠航理由が「出発地悪天候のため欠航」が変わるとは思えませんが、
相変わらず混雑している、
出発ロビーはイライラと不安な氣持ちの
他に、既に諦めムードも漂っていました。

そんなマイナス感情の坩堝に居たくは無かったので
早々に、ガラガラの搭乗口を通ることに。

いつも使う、カード会社のラウンジに入ると
そこもガラガラです。

ラウンジでジュースを飲みながら、
天候が回復せずに、欠航になったとしても
ここで一夜を過ごせるな。
という安心感が湧いてきました。

偉そうな事を、言うつもりは有りません。
僕もこれが、休暇で家族と一緒でなければ
同じように、列に並んで係員さんに
イライラをぶつけて、
何とかしてもらおうと交渉していた事でしょう。

でも、子供たちの頭の中は まだディズニーリゾート中。
楽しい氣分の時に、
親の心配した氣持ちで不安にさせたく無い。
という氣持ちの方が少しばかり強かっただけです。

思っていたよりすんなりと、搭乗案内が流れます。
子供に「どうして出発 出来る飛行機と、出来ない飛行機があるの?」
と尋ねられ、思い付きで
「だぶん、出発出来ない飛行機は羽田に来られてないんだよ。」
なんて会話をしながら、搭乗機へ。

飛行機の窓から外を眺めると、
思っていた以上に強い暴風雨。
これでは、飛べなくても仕方ないな。。