『人間道楽』 8-4. 180408

8-4.一番の宝

この世で一番の宝は、何か?
考えたことがありますか?

これを元に
何故、自分を内観する事が最優先で
大切かという事を
お話し してみます。

あなたの一番の宝を
想い起こしてみてください。

自分の子供と答える方が居るかもしれません。

パートナーという方が、居るかもしれません。

自分の持ち物、例えば高級ブランドのバッグとか。
高級な外車とかを答える方が居るかもしれません。

豊かなご馳走や、
仲間の存在と答える方が居るかもしれません。

中には、お金や金銀財宝

と答える方も居るでしょうね。

どれもこれも、素敵ですね。
でも、ちょっと立ち止まってみてください。

その前に、
学生時代に、僕が実際に経験した話をしてみます。

大学時代に、人より少し頭の大きな友人がおりました。
みんな彼の事を
「くり頭(クリガシラ)君」と呼んでいました。

くり頭君は、バイクの免許を取得したのですが、
彼の頭に合うヘルメットが、
なかなか見つかりません。

何件もお店を回って、
やっと自分に合ったサイズの
お氣に入りのヘルメットを
見つけてきました。

それはそれは、彼のヘルメットに対する
愛着は凄いモノでした。
暇が有ったら講義中でもヘルメットを
拭いたりしていましたから。

僕らは、隙があると彼のヘルメットを
被っては、クルクル回して遊んでいたものです。
被ったままヘルメットが回るほど
大きかったのですね。(笑)

そんな時くり頭君は、
いつも怒ってヘルメットを取り返しては
丁寧に拭いていました。
そんな、くり頭君の対応が
微笑ましくも面白くて、
ついつい彼のヘルメットに
手が伸びていたのでした。

そんな くり頭君が、
ある時バイクで転んだそうです。
結構ハデに転んだ様で
身体のあちこちが傷だらけで
着ていたジャンバーはボロボロに。

それでも、ヘルメットは無傷。。。。
彼曰く、咄嗟にヘルメットを庇ったそうです。

その時の僕との会話です。
「命がけでヘルメットを護ったのか?」
「そうだ!」
躊躇いなく、満足げに答える くり頭君。

「ちょっと待て、
その人より大き目の頭に、
詰まってるであろう脳みそで、
良く考えてみろ!

咄嗟に、君の身体は君の頭を庇ったんだ。
潜在意識下で身体が、必死に護った頭で
考えだしたのが事もあろうに
ヘルメットを庇っただと?
それを真剣に言っているのか?」
ちょっと声を荒げてしまいましたが、
こんな笑い話のような出来事が、
実際には、そこここで見受けられるのです。

言うまでも無く
ヘルメットは大切な頭を防護する道具です。

いくら大切にしているからといって、
自分の身体や、頭よりも大切な訳が無いのです。

自分の子供には、
何を犠牲にしても幸せになってもらいたい。

そう思うのは、親心です。
ただ、その前にあなたが居なければ
どうやって子供たちに
愛を教えますか?

どうやって生き抜く力を伝えますか?

あなた自身が居なければ、
全ての事を伝える術が失われてしまいます。

素敵なバッグや車だって、
持って歩くことも、
思い通りに操縦する事も出来ません。

案外と見失われてしまっているのが
自分自身の存在です。

だから、まず自分自身と向き合う事が
最優先となってきます。
それを疎かにして、
モノや他者と向き合うから
歪が起きるのは当たり前なのです。

生きている限り、
どんな物事にも『自分というフィルター』を
通して感じ、行動する事が出来ます。

自分の心(メンタル)と身体(フィジカル)。
それらの宝物を、なんと粗末に扱っている方の
多い事か。。。。

もう少し、痩せていれば。。
もっと容姿が、整っていれば。。。。
見た目だけでも若かったら。。。。。
もう少し、頭が良ければ。。。。。。
収入が、もっと多ければ。。。。。。。

あらゆる条件をつけて
自分を嫌ったまま、生きるのは
凄く勿体ないと断言します。

自分の中に歪を抱えたまま、
子供たちに向き合っても
子供たちの心に良い響きは生まれません。

その前に、自分を嫌う事に使う
エネルギーのなんと勿体ない事か!

慢心しろと言っているのではありません。
自己中心的になれと言っている訳でもありません。

ただ、ご自分と向き合い
その性質を。
その有難さを。
ジャッジする事なく全て受容するだけのことなのです。

考えてみてください。
あなた自身をジャッジして嫌っているのは、
あなたの顕在意識だけなのです。
あなたの身体や、潜在意識は、
何が一番大切であるかを
良く知っています。

赤ちゃんの頃の様に、
自分自身が大好きだった心を
もう一度、取り戻すだけで良いのです。